2012-01-01から1年間の記事一覧

静止した光の中で ―「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」―

ワタクシ、学生時代、ジャスコでアルバイトをしておりまして。普段は決まった売り場で決まった仕事に従事していたのですが、年に何度か催事コーナーのお手伝いに行かされることがありました。あるでしょう、陶器市とか北海道物産展とか、そういうヤツ。中に…

小説が原作の邦画を続けて観てみました。

「黄金を抱いて翔べ」小説上では違和感なく飲み込める台詞であっても、それをそのまま映画に乗せてしまうと、なんとも違和感生じてしまうケースというのはままあると思います。修飾技術の過剰な進化が招いたイビツな表現って、文学上では成立しても、実際の…

そつなくちょー面白いウソ映画 ―「アルゴ」―

まず余談。 じつは、この度はじめて「上映不具合」に遭遇しまして。或るシーンで字幕が止まっちゃって、そっからは映画本体は進むのに字幕だけが微塵も動かなくなっちゃったのです。結局、不具合出たとこから、15分戻ってからの再上映って形になったのですが…

至極のヤクザ漫才 ―「アウトレイジ ビヨンド」―

おやおや。公園でチンピラが二人なにか言い合いしてますよ。 ちょっと様子をみてみましょう。 - 「おめー、アウトレイジの感想文描いたのかよ、バカヤロー。イイ加減提出しねーと、殿、マジ切れるぜ、マジ指詰めだぜ、バカヤロー」 「兄貴、それがまだなんス…

カナザワ映画祭に行ってきました

所用にかこつけて、どりゃあああとカナザワ映画祭2012(+α)を楽しんできましたので、少しその記録をば。 - 【ショーガール】をみました (9.14香林坊にぎわい広場にて野外上映) 所用(食事)が想像を絶する早さで終了した為(17時スタートでした)、「も…

電気羊の夢、見ようが見まいが ―「プロメテウス」―

【ネタバレしてます】 突然ですが、ワタクシ、「エイリアン2」が好きでして、というか、「エイリアン2」を観た時に初めて「映画っていろんな見方ができて面白いんだなあ」と思ったのでした。ようするに、母親同士がガシガシやりあってるサマをみて「はたし…

青春ミラー ―「桐島、部活やめるってよ」―

ワタクシには「理想とする青春映画像」というものがありまして、それはどのようなものかといいますと、例えば「さらば青春の光」などが理想的青春映画像だったりします。ちなみに「さらば青春の光」、世間一般的な解釈では――モッズカルチャーに絶望した主人…

僕は悪くない ―「苦役列車」―

たまにおるやろ「作家志望!」とか言うてるヤツ。もっとどうしようもないヤツになると「オレ、そのうち自伝書きたいわww」とか言うてるヤツおるやろ。いや、別にええねん。それに関しては全然ええねん。ほんま全然ええねんけどな、そういうヤツの中におる…

愛と幻想のドキュメンタリズム ―「監督失格」―

ドキュメンタリー映画とは一体どのような映画なのでしょう。真実の記録?うーん。それはそうかもしれません。しかし、それだけでは圧倒的に言葉が足りない。つか、正解のようで正解じゃない。どういうことかというと、ドキュメンタリー映画とは、たしかに「…

アメリカ、「力」の喪失 ―「アメイジング・スパイダーマン」―

とにかく、学園ドラマパートとその延長線上にあるシーンがすごいツボで、それはようするに、スパイダーマンのアイデンティティであるところの「ギークの夢」描写がマヂ最高にはまったわけです。超絶な力を手に入れて、いけすかないジョックスをぶっ飛ばした…

彼女の選択の意味 ―「別離」―

BGMがほとんど流れないのにもかかわらず、2時間飽きさせずにみせてくれる佳作でした。ストーリーそのものも、実際のところ、大きなツイストないんですけど、「疑惑のカード」の提示のタイミングが絶妙なんでしょう、緊張の糸は全然とぎれませんでした。万人…

My love is Your love ―「ブライズメイズ」―

これから観るご予定がおありの方は観てから読んで頂いたほうがイイかと。 いきなりですが、ワタクシ、「スーパーバッド 童貞ウォーズ」という映画が大好きでして、というか、「スーパーバッド」のエンディングが大好きでして、じゃあそれはどんなエンディン…

Land of 1000 Dances  ―「ピナ・バウシュ 夢の教室」―

もうすぐ、中学校の授業でダンスが必修科目になるんですよね。文部科学省の人、うっかりこの映画を授業の教材に使ってくれないでしょうか。この映画、教材として圧倒的にイイと思います。本人の意思に関わらず、システムの奴隷にならざるを得ない哀しき役人…

WEEPING AND "LAUGHING" ―「ヘルプ 心がつなぐストーリー」―

この映画、スチール写真やポスター、サブタイトルから受けとる印象が「ソフティケイトされたブラザー感」だった為――んで、その「ブラザー感」っていうのは、個人的に大好きな「ガサガサしたソウル感」や「ジリジリしたファンク感」と対極にあるものだと思っ…

対居眠り運転の記録 ―「ドライヴ」―

感想というかなんというか。 キャリー・マリガンを愛でるために観ました。――ってわけじゃないんですが、キャリー・マリガン、とても良かったです。つか、キャリー・マリガン、アレですね、幸薄い役ばっか連発してらっしゃって、それがまたよく似合ってらっし…

独りよがりの哀しみ・独りよがりの可笑しみ ―「SHAME」 と 「おとなのけんか」―

【SHAME−シェイム−】 キャリー・マリガンを愛でるために観ました。 大変良かったです。 キャリー・マリガンのおっぱいが役柄同様、じつにだらしがなくって大変良かったです。ってごめんなさい。冗談はさておき、ホントに良かったんです―― 「シェイム」は誰彼…

失われたものを求めて―「ヒューゴの不思議な発明」―

普段、ワタクシ達は、何の気無しにお喋りをしたり書き物をしたりしているわけですが、さて、そこで発せられたり書かれたりするものって、何百年何千年前からビタ一文変化無く続いてきたものなのでしょうか。 勿論そんなことはないですよね。 目にみえる形で…

おじさんたちは残酷にもそれをみながら涙する ―「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら夢を見る」―

日本を代表するヒップホップグループ・ライムスターのMCである宇多丸さんが、自身の冠ラジオ番組にて「この映画は、誇張でもなんでもなく戦争ドキュメンタリーのようだった」と評されてましたが、ホンットそうだなあと思いました。それは、舞台裏のビジュア…

もっともヤングアダルトなのは誰? ―「ヤング≒アダルト」―

同監督作品「マイレージ、マイライフ」がスゲー良かったので、期待値相当高めで観てきました。個人的には「マイレージ〜」は2010年ベストに入れる級で良かったのです。なのですが。じつは「マイレージ〜」って「どこが良かったの?」と問われると即答するこ…

ぼくのかんがえた「どらごん・たつーのおんな」じっちゃんの名にかけて!!編 ―「ドラゴン・タトゥーの女」―

感想というか妄想というかネタバレというかなんというか。観る予定がある方は読まないほうがイイんですかね。自分でもわからんです。本当にわからん。 D県T郡G村。瀬戸内海と日本海の中間に位置するその集落は、緯度のわりに降雪量が多く、冬の間には幾度…

ぼくのかんがえた「どらごん・たつーのおんな」 FRUiTS ストリートスナップ編 ―「ドラゴン・タトゥーの女」―

感想というか妄想というかネタバレというかなんというか。観る予定がある方は読まないほうがイイんですかね。自分でもわからんです。 - 【「FRUiTS」のスナップ写真に掲載された立浪ルミ子さん(19)の話。背中のドラゴン柄のタトゥーが良く似合う小柄でカワ…

魂のディアスポラ ―「サウダーヂ」―

技術的な完成度高かったらグルーヴがあるかっつっったら全然そんなことないわけでさ、結局そこって正比例するもんじゃねーし、つかなんなら、普段はグルーヴのキモだと思ってる要素が、ヨレッヨレだったりスッカスカだったとしても、なんかわかんねーけど魂…

放たれた弾丸は、愛 ―「J・エドガー」―

じつはこの映画、観た直後はあんましハマらなくって、というか、「FBI副長官の老けメイククオリティが絶妙にコントっぽい」ことから生じるおかしみが一番立ってたぐらいで、ぶっちゃけていうと、「昨年読んだエルロイ3部作のほうがとってもエモくて好きかな…

聖シュージ伝 ―「CUT」―

シネフィルってなんなんですかね。よく解っていません。でも、朧げにこういうふうに捉えられてんのかな?というイメージはありまして―― 某日、昨年公開された「猿の惑星」の様々な感想を読んでましたら「今回の猿の惑星は自由の女神が出てこないからダメ。全…

その浅近なる世界―「ヒミズ」―

とある著名な方が「冷たい熱帯魚」を、全然本質を捉えず、ヘンな方向で過剰に持ちあげちゃったもんだから、誤解されてるような気がするんですけど、そもそも園子温監督って、常人には思いつかない視点を持ってるキチガイじみた監督さんなんかじゃなくって、…

聖書を捨てよ、町に出よう―「スーパー!」―

ワタクシ、映画版の「キック・アス」に関しては大変憤慨しておりまして、その理由というのは、とりあえず原作を先に読んでいたことによるところが大きいのだと思うのですが、ようするに、原作の「キック・アス」っていうのは「おい!引きこもりのオメーら!…

キャリー・マリガンの映画を立て続けにみてみたよ

【わたしを離さないで】キャリー・マリガンを愛でるために観ました。 大変良かったです。 キャリー・マリガンが、幼馴染み二人が隣室でセックスしまくってるのを尻目に、一人淋しく自室でエロ本読むシーンとかたまらんものがありました。あと、セーター着用…