2014-01-01から1年間の記事一覧

「紙の月=宮沢りえ」論

ネタバレというか、具体的な内容はあんまし書かないようにしていますが、本質的な部分には触れてますので気をつけて下さい。 吉田大八監督作品って、過去作のすべてが「そこまで観客が抱いていた印象を終盤で見事にバタンと裏返す」というものばかりなので、…

「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」とAWESOME MIX

ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーってCMとかポスターがいまいちイケてなかったから、たとえ良い評判を聞いても「本当に面白いの?」って印象あったんだけど、観てみたら「マジか!!」ってぐらい最高で、でも、この楽しさ伝えるのって具体的な内容を…

改めて「LEGOムービー」を観た。

最近、お子さんちょっと知恵がついてきて「レボ(=レゴのことです)できかんしゃトーマス作ッテー」とか「パーシー作ッテー」とか言ってきて、でも、我が家にはそんなに沢山ブロックないから、8bit的技法でそれっぽい色使いのボンヤリした固まりを作って、…

「TOKYO TRIBE」、その鈴木則文イズム

ネタバレしてるかな。 別にいいよって方は、 Ultimate Breaks & Beatsでもかけながらどうぞ。 - 冒頭でがなるユーちゃんと違い 組みこまれてんじゃん、漢とMEGA-G チョイ役なのにヤバいANARCHY とか、色気出まくりヒップホップの人たち そりゃハマるだろ、ヨ…

「思い出のマーニー」

幼い頃に実の両親と死別した12才の少女、アンナさん。繊細な性格で周囲と容易に打ち解けることができない彼女は、夏休みの間、喘息の治療も兼ねて普段暮らしている街を離れ、養母の親類の居る田舎街へと赴きます。 この映画、「良かった!」という意見を耳に…

「ビフォア」シリーズ

或る男女の姿を9年ごとにとらえています。 「ビフォアシリーズは現状3作作られている」ということは知っており、最新作である3作目「ビフォア・ミッドナイト」の予告をサラリと見たことがある――程度の状態で、まずは第1作にあたる「ビフォア・サンライズ」を…

「アクト・オブ・キリング」

僕はこの映画を見終わった後、ふと「知性なんてドブに捨ててしまったほうが快適な人生を送ることができるのではないだろうか」と思った。「知性の放棄」、それは「蛮性の行使」を表すのではない。いや、その言葉を使うと、何か遠い世界の出来事のように思え…

予習せずに「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」を観ました

アベンジャーズシリーズは「アイアンマン」の1と2をボンヤリ観たことがあるぐらいなんですが、一度こういうパターンで作品に触れるのも面白いのではないかということで、全く予習せずに観にいってきました。なので「そんなの知ってるよ!」と思われることも…

「スノーピアサー」と「新しき世界」

【スノーピアサー】 近未来。生物が住めなくなった極寒の地球の上を、人類の生き残りを乗せた列車がグルグル走り続けています。最後方の車両で虐げられた生活を送る主人公たちは革命を起こそうとします。 ネタバレはしてますね。 ポンジュノ監督、前作である…

「天使の分け前」における盗人問題

この映画、めちゃくちゃ好きな類いの映画でした。なにがどう好きだったのかといいますと――登場人物達のキャラ立ち?ええ、良かったですね。歯がないヤツは大体トモダチ。でもそれが肝ではありません。じゃあ風景?スコットランドの街並みや大自然、良かった…

「悪の法則」と「2666」について

まず「悪の法則」についてです。 メキシコの麻薬取引に関わった人たちが皆大変な目に遭います。 さっそくですが、「悪の法則」という邦題、ちょっとどうなのでしょうか。というか、はっきりいうと、ワタクシ、このタイトルは制作者の意図をすぼめてしまうも…