パブリック・エネミーズ

「運命の女性ビリーとの出会い」のくだりでよぎった不穏な空気…予感的中。


シナリオ&キャラ立ちが弱すぎるよ!!!!!!!


※ 史実をなぞることとイイ映画作ることは全然別モンだよね。あんなに序盤で、あんなに時間割いて、最愛の女性との出会いを描くってさ、映画的には大変不細工だよ。

クリスチャン・ベイル演じるFBI捜査官パーヴィスが晩年自殺に至るような葛藤が全く描き切れてないよね。『組織との葛藤の結果、非情に成らざるを得なかった熱血漢』としてのキャラが立っていればさ、「自殺」に対する納得がいくよね。本編のラストの説得力とあわせてグッとくるよね。『捜査官間での確執』の伏線が無いからさ、ラストの「遺言」の面白みが弱くなりすぎてるよね。

※ ネルソンのDQN感が大変ボンヤリしてるよね。ボンヤリしてるわりにやたらフィーチャリングされてるよね。いや、フィーチャーされて当然なんだ。彼は、第2パートでの『デリンジャーの転落』に大きく関わってるから、というか、デリンジャーの転落はネルソン的手法の終焉なわけだから、そこはもっとキャラ立ちさせる、というか、させとかないといけないんだ。

※ というわけで、デリンジャーのキャラもボンヤリしてるよね。ビジネスライクなギャングの台頭・ある種の信頼関係を気付けない現代的な捜査官・その結果、凋落してく古き良きギャング像を描きたかったんでしょうが、全部が全部ボンヤリしすぎてるからさ…もうなんていったらいいか。

※ 音楽の使い方もなんか絶妙にブレブレだよ。オーティス・テイラーの主題歌(?)「テン・ミリオン・スレイヴス」だけ音が新しすぎて超ーー違和感あるよ(曲自体はカッコいいのに!)

というわけで「どういう映画を作ろう」としてるのかがよくわかるだけに不満がメチャクチャ残る映画でした。ビッグバジェットの映画観ることあんまないからアレなんだけど、これが所謂「シナリオライターが沢山関わって作品こねくり回した結果」の映画なのかなー。

【採点】
ドン・フライに1点。
「弾丸が右目の裏っ側に止まってる」に1点。
ファッション5点。
こんなに弱いシナリオの映画なのにさ、ジョニデが出てるっていう理由だけで絶賛してるヤツがいるかと思うと−勝手に−それがノイズになって−5点(ジョニデに罪はないですが)
というわけで合計2点!!