インセプション

〈観てる間は楽しんでたんですけど振り返って書いてたらまさかの炎上。音楽はウザかったけどビジュアルとか良かったし、つか最近よくみる顔が揃ってたからそれだけでもウキウキしたんよ。でも振り返って書いてたら…サーセン



というわけで。「インセプション」観たわけですが---

うむ。シナリオ弱い(キッパリ)


普段実行して無い難しい仕事に対してクライアント帯同って…無くね?
「夢の設計」って…結局どうなったの?
深層心理の暴走が夢の世界に反映されるんならなんでも出来るんじゃね?


そもそも【今回の任務がいかに危険か】っつうのを説明すんのが下手くそすぎ。シナリオの揉み具合が全然足りない。タイトさが無い。ピクサーならやり直しでしょ、このシナリオ。つか、どーーーせダラダラ口頭で説明するんなら『短期間で人間を洗脳するのは大変。ましてや、金持ちは夢の世界を武装化してる』って先に言わせとけばいいじゃん。


なんていうかな、難しげな言葉並べて頭イイような顔してる方いるじゃないですか。上っ面なぞってるだけで全然自分の言葉に昇華できてないヤツ。「伝える」ことが一番大事なのにテメエの自己顕示欲を発散したいだけのヤツ。「いかに簡潔に語るか」「いかに引き算するか」が美しさのキモだと解ってないヤツ。なんかそんなカンジ。


ちなみに。
予告のビジュアルからは「ダークシティ」つまりは「ビューティフルドリーマー」的ウェイクアップ!なお話を想像してたのですが、どっこい正反対で惑星ソラリス」的帰着でないと納得がいかない出来でした。


そう。
そうじゃないと全っっ然納得いかねえ。


ラストショットの『コマが回ってるか否か』論争が巻き起こっていますが、あれさ、もしコマが止まってようもんなら炎上ですよ、炎上。大炎上。デカプチームの取ってる行動、あんなもんね、ただの夢物語だよ(キッパリ。2回目)。あいつらの行動原理の説得力の無さってハンパないもん。物語っていう枠組みありきで動いてるヤツら。つまり、物語っつうテーブルの上で、意味なく延々回り続けてるコマ。
ってさ、それはそれでいいんだよ。破綻しててもいいんだよ。そこはさ「惑星ソラリス」的哀愁を醸し出してりゃ許せたんだよ。そうしてたら「傑作だった!」って言ってたかもしれん。しかしだな、ノーランはだな、そんなことしないんだよ。つかさ、細かいシナリオの穴つついてったら逆に「いやだからコマ回ってるしwwwww」って言いそうでムカつくんだよ!!!

なんていいつつ、町山さんみたく『自分は自分の人生の主役などでは無く、他人の人生の登場人物の一人にすぎないかもしれない』という読み解き出来てればもっともっと楽しめたかもしれませんが。確かにそれはニューディーズのレベルに突入してたと思う。でも、ノーランはそういうの意識してないと思う。だって、それを明確に打ち出すのって簡単なんだもん。でも、それやってないんだもん。つまりよ、第3パートで奥さんがデカプに対して「貴方こそ幻なのよ……」って言わせりゃ済むんだもん。