鴨川ホルモー

〈先に原作読んでたんですが、まずそちらの感想書いておきますと---『な、なんだ!この京大生アタマ湧いとるんか…!!!!』でした。だって童貞臭が凄まじいんだもん。充満しまくってるんだもん。な・ん・て・小馬鹿にしながら〜〜〜、実はこっそり「きまぐれオレンジロード」や「BOYS BE」にときめいちゃってるあのカンジ。わかるだろ!!!〉


というわけで、「鴨川ホルモー」を突然無性にみたくなりまして実行してみました。とくに意味はありません。ホルモーの呪いでしょうか。そうでも無ければ観ないでしょう。怖い。怖い。


といいつつ、いざ観てみたら結構楽しめたんですけど。
原作読んでたから、ハードル設定が限界底止まりだったことが原因かもしれません。原作未読で「映画みるぞ」と気負ってみてたらどう思ったかわかりません。


CG処理の安さ(とくに祇園祭んとこ)。
面白げな場面にかぶせる「パフ♪」という音。
伏線が回収されていない(というかそもそもとってつけたような伏線げな何か)


「映画」だと思ってみてたら炎上してたでしょう。
が。
意識を変えりゃあ問題ない。
今、オレが観てるのは月曜ドラマランドだと思えば全然問題ないんです(ことはないのだが大分許せる)


だから、唐突なモテっぷりをはじめとするなんともいえんアンシャンレジーム(?)ラブコメ感も全然問題ない。

だって月曜ドラマランドなんだもん。


というか原作も一緒だから全然問題ないんだもん。


「おいおい…それは都合いいだろ…」っていう展開はハナから覚悟の上だぜ!!!ってなもんです。


そうなってくると、ある種のマジックが生まれてきます。
主人公の友人が、斬新なヘアスタイルを超ー不自然に隠して喫茶店行くと…という、なんとも「一昔前のギャグ感」満載のシーンがあるんですが、ここなんてどう落ちるか一目瞭然なわけです。で、実際期待裏切らない展開で落とす。観てる側の心情的には、フリの段階で「ここで笑うのは悔しいなあ」と思っちゃうぐらいの代物なんですけど、計算か否かわからん絶妙な案配のヘアスタイル隠し具合にうっかり笑ってしまう。
虚実のはざまを愉しむ、それこそまさに、月曜ドラマランドスタイル。


しかしアレだ、全体の構成が全く整理されていないのはしんどいですね。多くは望みません、ぼんやりしたモンでいいから在る程度構成立てしといて欲しいものです。3部構成にするか4部構成にするかとか、そんなモンどっちでもいい、というか、このお話、どーーっちでも組み立てできそうなメリハリつけ易いお話なんですから。なのに!!そういう作業を行った形跡が!!皆無!!!!!

だから、終盤の間延び感がハンパない。「もうエエわ…」となること必至。

ただ単に時間割いて体裁保ってるだけ。尺を伸ばしてボリュームアップ図るって…何?バカ?
そんなこんなで、終盤の肝、メガネっ子栗山千明覚醒シーンの弱さがハンパない。というかここって「終盤の肝」どころじゃない。「この作品の肝」だわな。そこ薄めちゃったらカスみたいな話なのに。容赦なく希釈しちゃってんの。ホメオパシー級に。マヂで意味わからん。栗山千明は主人公じゃないから??だったらそこアレンジすればいいじゃん。

栗山千明の覚醒ってクラシカルな価値観からの解放なわけでしょ。「救護班は当然女性の仕事」っていう前時代的なアレからの解放。じゃあさ、それと入れ替えでさ、男が救護班やったほうがいいって風に持ってけばイイのに。前半で伏線貼っとけば結構燃えると思うんだけどなー。冒頭の居酒屋んとこで山田孝之がお箸で豆を巧に操るとかさ。どうとでも出来そうなのにねー。