告白

告白1

「この小説面白いですよ。でも……湊さんは元々脚本家で、だから、この作品も小説というよりも脚本的だったりするから、厳密に小説ということで考えるとちょっとむにゃむにゃむにゃ」

かつて、TBSラジオの書評コーナーで豊崎社長さんがこのような発言してたの覚えてて。まあ、そんなことがあったから原作読んでないんだけど、映画化されたら映画化されたで、今度は「これを映画と認めるのはなあ」って言われてるわけじゃないですか。それってなかなか面白い現象だなあと思いました。

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告白2
「これを映画として認めるのはなあ」

そうおっしゃる方がいるのは全然わかります。

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告白3

ワタクシ、スタートの段階でそういうハードル設定だったから「想像してた以上にトンチ効いてて面白かったよ」というのが率直な感想。物語進めるための道具として、大変安易な形でHIVを使うのってどうなの???というご意見あるでしょうねえ。そのご意見も全っっ然わかります。でも、今売れてる小説、どころか、ご立派ななんとか賞受賞作品レベルでもその程度の荒っぽいプロットごろごろ有ると思うので、まあ正直、想定範囲内でした。というか、世間一般的な倫理観抜きとしてですが、逆にHIV上手く使ってるなあと思いました。浅はかな理解・様々な偏見のもとにあるからこそ使える時限爆弾として。


あ、あとさ、独白で話進めるのってあんまし好きくないんだけど、というか、以前だったら、そういう映画に対して反射的に「こんなの映画じゃないよ」って思ってたんだけど、愛のむきだし』以降は抵抗無くなったんだな、これが。アレ以降、独白でグイグイ進む映画を一概に否定できんくなったです。あとはスローモーションねー、いっそアタマっからケツまでぜーーーんぶスローモーションにしてしまってたらよかったんじゃないですか。

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告白4
「イギリスでこの映画めっちゃヒットしてるよ。邦画がここまで長期間上映されたこと無いんじゃないかな。前代未聞」

(何回出てくんねんという話ですがこれで最後です)昨年、英国人からこのような話聞いてて、『えー。なんか間違えた日本観で流行ってたらイヤだなあ。喜多郎みたいなカンジで流行ってたらイヤだなあ』と思ってました←今時あり得ないし例えが鬼古い。

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告白5

連合赤軍とオウムは酷似してると思う」

TBSラジオDIGにて、誰が言ってたんだっけ。大根仁氏が言ってたんだっけか。


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告白6

オウム事件以降、オウムの持ってた異常性っていうのは、無くなったわけじゃなくって、我々の日常に溶け込んでしまったような気がします。だからこそ、オウムとはなんだったのか、って考えるのは大事なのではないかと思います」

同じく、TBSラジオDIGにて。江川紹子女史と森達也氏が言ってたね。

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告白7

そもそもこの映画に出てくるヤツらって、基本スッカスカで、ヌルくって、偽善的で、いや偽善的は無いね、まともな知識がなーーーんもないクソ利己的なクソガキばっかで、って利己的という感覚すら無いだろうね、なんていおう、もう単純にクソガキでいいか、クソにもガキにも失礼だけど、とにかくクソガキどもがですね、クソガキ同士でクソ投げ合って戯れて、それを別のクソガキ共が周りでクソ喰らいながらキーキー囃したて、あ、「囃したて」って言ったら人間ぽいなあ、キーキー獣みたいに鳴き叫び、そのサマをみた、クソガキと大差ない一応年齢だけはオトナのクソと、クソ高橋歩教信者みたいなクソ中のクソが、クソみたいな干渉してみたりして、そしたらクソがクソのくせに一丁前にクソを憎んだりして、挙句、クソの分際でクソぶっ殺したりして、「なにそれ?なにで学んだの?クソ?クソで占った結果の啓示なの?」ってレベルのクソみたいにペラッペラな主張しくさったりして、ようはクソがクソを生んでクソまみれになってるという、見事なまでのクソの共演、マジでなんなのっていう構図が本当にクソすぎて、さらにさ、なんでこんなクソ共のせいで、無力な子供が犠牲にならなあかんねんってなって、本当に意味がわからん、本当出てくるヤツらマジでみんな揃って地獄に堕ちたらいいのに、というか、そんなことしたら地獄がクソで汚れるな、どうしたらイイんだろう、本当にどうしたらイイのかわかんねえや、クソすぎて、イヤ、問題は解ってる、解ってるんだけど、どうしようもないこのクソっぷりがもおおおおお……本当に堪らん、まともな痛みすら無効化しちゃうこんなクソみたいな国は即刻ぶっ潰れてしまえばいいのに、深く考えようが、浅く考えようが、結局表層なぞるだけでなんとかなってしまう、なんとかなってしまうというか、なんとかなったげの段階で思考停止してしまう今の日本、あ、そうか、このクソ具合って今の日本みたいだなあ、だから、「英国人よ、このクソっぷりを刮目せよ!」って思える、非常に素晴らしく胸クソ悪い映画だと思います。役者の皆さんも見事なクソっぷりで本当素晴らしかったけどなあ。


なんかさ、日本人の「ペラさ」、も少し詳しく書くと「物事を追求しようとしたらいつのまにかスライドしちゃって中身はスッカスカのまま……どころか退化してる」っていうのは、ずーっと続いてるもんなのかもしれないね。土人土人のままいりゃあいいのに、なまじ文化人ぶっちゃうからその歪みがさらに大きくなってるかも。
そもそも、こういうプロットの作品が書かれ、このような形で描きだすことが許容されている日本の社会っていうのは、やっぱ異常で、でも、その異常さがそのまま作品に反映されてるから、イイと思うけどなあ。自分でも詭弁を弄してるように思っているんだけど、まあ、そうしたくなるぐらい面白かったです。