対居眠り運転の記録 ―「ドライヴ」―

感想というかなんというか。


キャリー・マリガンを愛でるために観ました。

――ってわけじゃないんですが、キャリー・マリガン、とても良かったです。

つか、キャリー・マリガン、アレですね、幸薄い役ばっか連発してらっしゃって、それがまたよく似合ってらっしゃるから、ぶっちゃけS性持ってる方たまらないんじゃないですか?是非とも今後もこの路線で突っ走ってほしいですね。お願い致します(別にSじゃないんですよ。よく似合ってらっしゃるからいってるんですよ。つかそもそもSとかMとかって思ってるんですよ)。

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さて、この映画、「スゲー面白い」というより「スゲー面白いはず!」と思いながら観ていました。音楽とショッピングピンクのクレジットが醸し出すイイカンジのニューウェイブ感。そぎ落としまくったシナリオ。静謐な演出。やる時はやるで!の暴力シーン。チョー良いんだろうなーと思ってたのですが、めちゃくちゃ早起きして挑んだ2本立ての後者だったため、その静謐さが仇となり、睡魔(と腰痛)と闘うはめになってしまったのでした。なんとも勿体ない……

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突然ですが、「狂気を抱えた都会の迷い子」が主人公の映画を評する時、スゲー安易に「『タクシードライバー』みたいで良い!」と言っちゃう傾向ってあるじゃないですか。あれってどうかなあと思うんです。最近ですと、「スーパー!」と「SHAME」をそう評してらっしゃるのを耳にしたわけですが、うーん、これは「スーパー!」ん時にも書きましたが、自らの狂気性に自覚があり苦悶してるというのは――全然トラヴィスとは違いますよね。

何が言いたいのかというと、今作で、主人公が夜道をドライブしてるシーンはなんだか「タクシードライバー」みたくてイイなと思ったのです。なんでなんだろうな?なんかわからんけどトラヴィス的空虚な哀愁あるよな?なにが違うんだろうな?と考えてみたら、たしかに、今作の主人公は先に挙げた作品の主人公よりトラヴィス感あるよなあと思ったのです。うとうとしながら。

それはつまり、いくらスイッチ入ったからっつって好き人の目の前でヒットマンの顔面破壊しますか?ってとこなんですよね。突然暴力のスイッチが入ってしまうカンジ。スイッチが入ったらコントロールできないカンジ。加えて、常に漂う自らの人生に対してどこか傍観者じみたカンジ。さらにスゲー寡黙。うーん。じつにハードボイルドでイイですよね。うとうとしてたんですけど。いやでも、ホント良いな!と思ってんですよ。だって、その狂気っぷりに加えて――

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話は逸れますが、ワタクシ、映画を観る際「もしもの時用」にメガシャキ的な何かを携帯してることが多いのです。今回も――なんせ早朝からの2本ですから――しっかりメガシャキ的ななにかを携帯してたんですけど、あろうことか、それを紙袋の奥底に入れてしまってたんですね。つか、紙袋の最上部には、2本立ての間の僅か15分間を利用して購入したパンの袋が!そう、ビニール製のパンの袋を一番上に置いてしまってたんです!失策。失策すぎます。メガシャキ的ななにかを取り出そうとしたらガサガサいっちゃうのは必至だしなー……うわーどうしよう……でもマジで眠いし……どうしようどうしよう……と苦悶し生み出した方法、それは――この静謐な映画に別の楽しみを見つけるしかない――すなわち――

「主人公のライアン・ゴズリング君、もしかして童貞なんじゃないか?というか童貞だぜ、絶対」

妄想し、面白さにブースターかけることでした。ごめんなさい。

でもさ、冗談抜きで、ライアン・ゴズリング君のお召し物、普段はGジャン&ジーパンじゃないですか。これってカンペキ、みうらじゅん先生がいうところの所謂Gジャンズじゃないですか。古いけど。いや、まーとりあえずGジャンはさておいといても、ここ一番の勝負服が、背中にサソリの絵が描かれてるジャケットなんですよ。それも白地ですよ。白地。みようによっちゃあ、スゲー童貞っぽいじゃないですか。スゲー間違えたオシャレってカンジじゃないですか。ヤンキーのオシャレが至上だからそっからもう一段ツイストかけて間違えちゃったカンジじゃないですか。つかさ、マスクしてても、背中背中!!背中のサソリは丸みえだから!!!*1って思わせてくれるとこの微笑ましさとか、じつに童貞感あふれてるなーと思ったんですよね。その童貞感も、じつにトラヴィスっぽいなーステキだなーと思ったんですよね。だから、エレベーター内でのキッスのシーン、あれって、ライアン君の妄想だったら最高なのになーと思っております。つか、ワタクシん中ではアレは彼の妄想にしておきます。


ってほんとすみません……
絶対もう一回観ます……
でもさ、マジで眠たかったんだよ!!6:30に起きたんだよ!!

*1:それもあのシーン、引きのショットがスゲーいいんですよね。