至極のヤクザ漫才 ―「アウトレイジ ビヨンド」―

おやおや。公園でチンピラが二人なにか言い合いしてますよ。
ちょっと様子をみてみましょう。

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「おめー、アウトレイジの感想文描いたのかよ、バカヤロー。イイ加減提出しねーと、殿、マジ切れるぜ、マジ指詰めだぜ、バカヤロー」
「兄貴、それがまだなんスよ」
「じゃあとりあえず、俺が一旦傍聴してやるよ、バカヤロー。おめーがしょーもねー感想書くと俺まで管理不行届きで怒られるしな、バカヤロー」
サーセン、兄貴。迷惑かけるっス。でも、いざとなったら指ぐらいカッターでズバッと切ってやるっス」
「何言ってんだよ、おめーの指は紙かよ、バカヤロー。とりあえず、観てどうだったんだよ、大まかでいいから言ってみろよ、バカヤロー」
「あー。アレっスね。吹き替えだったから見易かったっスね」
アウトレイジつって、タイトルは英語だけど外国の映画じゃねえよ、バカヤロー」
「あー。そうなんスか。道理で皆日本人みたいな顔してるなーと思ってたんスよね」
「おめーマジかよ……バカヤロー……ちょっとさ、具体的になんか記憶に残ってるシーンとかねーのかよ、バカヤロー」
「調書取るシーン面白かったっスね。『ホステスの家にバットなんてあるか!』つってさ」
「おうおう。面白かったな」
「バット、ふつーあるっつうのね、あの刑事バカっスよね」
「ねーよ、バカヤロー!!おめーがバカだよ!!」
「あー。サーセン。でもいくらバカでも白山と五味よりマシっしょ。始終ポカーンとしちゃってさ、あの二人、出てくるだけでちょー笑えるっスよね」
「青バナたらしながら、何ぬかしてんだよ、バカヤロー。俺はお前に対してポカーンだよ、バカヤロー」
「あー。サーセン。そうそう、そういや、たとえ映画ん中でも、プロのヤクザ屋に対して『ヤー公』って言ってのけるのはスゲーなーと思ったっスね。素人さんなのに勇気あるなーつって」
あ・れ・は・役・者・だ・よ・バ・カ・ヤ・ロ・ー!!!白・竜!!白・竜・さ・ん!!役・者!!!
「マジっスか?」
「うーん。役者つっても裏家業じゃあ一人ぐらいは埋めてるだろうけどな、ってバカヤロー!!!」
「兄貴ノリツッコミ上手いっスね。惚れちゃいそう☆」
「☆ってなんだよ、調子乗ってんじゃねーぞ、バカヤロー」
「え〜ごめんなさい〜☆殴んないで殴んないで、そんな腰入れて殴られちゃうと、もう惚れちゃうかも☆」
「おめーさっきから変なカンジで桐谷健太サンプリングしてんじゃねーぞ、バカヤロー。だから、おめーがアレだとこっちも怒られんだよ、バカヤロー」
サーセン、兄貴。迷惑かけるっス。でも、いざとなったら指ぐらいカ」
『カ』ってなんだよ、バカヤロー。天丼でネタバレしようとしてんじゃねーよ、バカヤロー。他ねーのかよ、全然まともな意見でてねーじゃねーか、バカヤロー」
「あー。ピッチングマシンで人殺せんのかなあって思ったっスね」
「殺せるよ、バカヤロー!!!……いや殺せねえよ、バカヤロー!!!突然まともなこというんじゃねえよ、間違えるだろ、バカヤロー!!!あれはたけし城オマージュだからいいんだよ、バカヤロー!!!」
「しっかし、あのギャンギャン吠えまくってるメガネ、うざかったっスねー。アレ、横山やすしっスよね」
「ちげーよ!!バカヤロー!!!怒るでしかし!!!はい、どうもありがとうございましたー」

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あ。なんだ。チンピラ二人かと思ったら、漫才だったんですね!!
イイもの見させてもらいました!!