「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語」

ましたが。「神」という存在は、「神」という名があるからには「神」として認識はされているわけじゃないですか。「神」はそこに在るのではない。我々がつくっているのです。そう考えると彼女は「神」なんかじゃない。だって誰も彼女の存在を知らないんですもの。いや、もちろん我々は彼女のことを知っています。でも、それは我々がルールの外にいるから知っているだけあって、例えばです、もしかしたら我々の世界はもっさいおじさんの超絶なパワーによって調和が保たれているのかもしれないじゃないですか、でも、そんなこと誰も知らんし知りようがないし、知りようが無いから、それがもっさいおじさんかどうかもわからない、わからないということは、おじさんは存在していないのです。つまり。彼女は「仮定としてのもっさいおじさん」と一緒なわけですから、彼女はあの世界においては何者でも無いし「概念」ですら無い。でも、でもです、彼女は何者でも無いのに何者かのために存在(?)し続けている。なんたることでしょう。これはひどい。ひどすぎます。僕は忘却というものはもっともやるせないことのうちの一つだと思うのですが、しかし、それは同時に安らぎをもたらすとも思う。じゃあ彼女は。彼女はどうなのか。なんと彼女は忘却されているのにもかかわらず、安らぎを得ることもできないのです。最悪です。じつに最悪。これは割に合わん。さらにいうなら、このような鬼の所業をごくふつーの人物に背負わせているわけですから、絶対に絶対に割に合わん。というか、それぐらいの対価を払わんと精算出来んシステムを作り出したインキュベーターってやつのエグさもたまらんし、もう一段ふみこむと、あらゆる資源や生物をなんやかんやのロジック使って搾取している人間のエグさっつーのも浮き彫りになり――ってもうホントにイヤになりますね。最高です。
とりあえず、僕はテレビシリーズの一番最後において、たとえほむらちゃん一人だけだとしても彼女の存在を知っているつーことに対してもんのすごい救いを感じた。ほむらちゃんが存在することによって、彼女は初めて「概念」たり得る。はじめて報われる。だから、ほむらちゃんの負担ってのは感じなかった。それ以上に安堵があったってカンジです。というわけで、テレビシリーズのまどマギは、結末及び、そこに至るまでのまさかのSF展開があまりに見事すぎて、身体の芯から震えちゃうレベルだったため、続編は見たいようで見たく無いような気持



法少女になるか否かっつーのを12話使って描くなんてすんごいメタですよね。そういう流れがあったものだから、このたびの劇場版、始まってしばらくは「あ。これはファンサービスの作品なんだな。それはちょっと残念な部分もあるけど楽しい部分もあるので前向きに見てみよう」なんて思ったわけです。実際、テレビシリーズの終盤で明かされるまどマギの世界観においては序盤で起こるようなことがあっても全くおかしくないわけですから、その辺はとくにストレスなく楽しんでみれました。ホントはちょっと照れましたが。しかし。嗚呼、これが甘かった。もう見事に騙されました。なるほどそういうことかと。それさえトラップに使うのかと。恐ろしいなと。はいはいこの展開ねと。これはアレだろうと。学園祭前日だろうと。そういうわけで、これはこれで悪夢感あるけどほむらちゃん頑張って!!ってカンジで余裕ぶっこいて観てましたら――まさかまさかの巨大な落とし穴が。おもくそはめられてしまいました。怖いわ、まどマギクルー。ツイストがすぎるよ。
そんな具合ですから、劇場版まどマギは、観る前の懸念はなんだったんだレベルの仕上がりで、蛇足どころかテレビシリーズにあった要素がさらにさらにハードコアになっててヤバかったです。マジでハードコアすぎて精神的にクるレベルでヤバかった。だってさ、テレビシリーズでのまどかちゃんの決断、あれやっぱ本人辛かったんだ……てのをはっきり見せてきたりするじゃないですか。あれ、やめてほしいですよね。そりゃあまあ深層の部分ではそうだよなあと理解してたけど、改めて彼女の口からそう言われると吐きそうなレベルで辛いし、だから、そん時のほむらちゃんの気持ちになるとさ、狂いますよね最高です。で、その行き着く先がアレでしょう。もうさーなんなんだよ。もし続編あるなら、それはもう行くとこまでいかんとダメで、んで、その結果、デビルマンみたく「昇華っぽい」エンディングを迎えることは可能だと思うけど、でも、それはやっぱあくまでも「ぽい」だけであって、元々、魔法少女達が求めていた安寧な世界とは違うわけだろうし、いや、違わんかもしれないけど、でも絶対違うわけで、だから、傷口は本作レベルでとどめといてほしいから続編は作ってほしくないかもな……なんて思ってしまうレベルではまってしまいました。観たくないかもなんて言ってますけど、まあもし続



いなのは、物語がSF的世界観からもう一段上のステージ、つまりは神学の領域に突入しちゃうことによって、若干「宙に足が浮いた感」があるため、ちょっと距離間を持って見ることが出来る部分があったのは良かったのかもしれません。もし、これがもうちょいSF的ロジックいれられてでもして、より地に足着くような設定盛り込まれてたりでもしたら、あまりに刺激が強すぎて劇場で精神発狂してゲロ吐いてたかもしれません。あと、テレビシリーズん時から感じてたジョジョ感がですね(ほむらちゃん、ワルプルギスの夜んときロードローラーに乗って特攻してくれてたら最高だったのに!)いよいよスタンドみたくなってて、つかさ、あれこそスタンドの正しい描き方だよな!ってカンジで最高だったので、もちろん強烈な悪夢感はあるんですけど、ポップさも若干増しててここもゲロ吐き中和になってたと思います。まあしかし全体的にビジュアルちょーヤバかったですね。なんなんですか一体。気持ち悪すぎて最高です。で、